2024年4月6日 投稿者: 2of オフ

経験10年以上の中小企業診断士が教える!創業を考えている方や創業間もない方にオススメの補助金・助成金・融資の情報一覧

経済産業省の調査によると、創業後1年以内の企業の生存率は約70%、5年後では約40%と言われています。特に規模の小さいビジネスほど生存率は低く、経営が安定するまでの期間も長期化する傾向があり、創業後の資金繰りは重要な課題です。

当記事では創業を考えている方や創業間もない方に対して、国や自治体等の用意する補助金・助成金・融資などのおススメの支援制度を解説します。法人・個人や規模に区別なく使える制度となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

補助金・助成金・融資の利用は創業前後がオススメ

補助金・助成金・融資という名称は知っていても、実際に利用されたことのある方は少ないと思います。ここでは、それぞれについての基本的な知識をお伝えします。

補助金・助成金とは何か

補助金・助成金とは事業者が受け取ることができる「返済が不要」の資金のことです。主に補助金は経済産業省や地方自治体が募集するのに対して、助成金は厚生労働省が募集します。いずれも一定の要件を満たした事業者が募集している団体等に対して、書類で申請することで受給することができます。

補助金・助成金と融資の違い

補助金・助成金と比較して、融資をご存知の方は多いでしょう。銀行などの金融機関からお金を借りる、所謂「借金」のことです。こちらは補助金・助成金と異なり、返済する義務があります。反面、補助金・助成金は運転資金に充てることができないため、使い勝手は融資の方が良い面もあり、ビジネスの継続には両輪で上手に利用していく必要があります。

<h3>なぜ創業前後の利用がオススメなのか</h3>

現在我が国は、国策として起業者を増やす取り組みに力を入れています。各地方自治体でも地域の活力の減退を危惧し、産業を生み出し、雇用を拡大すべく、さまざまな施策が打たれています。こうした流れを受けて、創業を考えている方や創業間もない方に対して、有利な環境が整っており、制度を活用することで創業直後の幼年期をクリアし、成長期へと繋げていくことが可能になります。

創業関係の補助金・助成金・融資の適用可能性と対象期間

これから起業を考えている方のほとんどが創業関係の補助金・助成金・融資の対象となります。あまりにも突飛なビジネスや収益のまったく見込めない事業で無い限り、門前払いということはないでしょう。既に起業し、事業をスタートしている方でも、創業後2〜5年以内であれば対象となる制度が一般的であるため、十分に活用できるチャンスはあります。

補助金・助成金を活用する際の注意点と手続き

補助金・助成金の受給には一定の注意点と手続きが必要になります。誤った理解で進めていると、受け取ることができないといった事態に陥ってしまう可能性があります。

補助金・助成金申請手続きの基礎知識

補助金・助成金を受け取るためには所定の書類を提出し、審査を受ける必要があります。この審査を通過することで初めて補助金・助成金を受け取る権利を獲得することができます。

なお、補助金・助成金の対象となる取り組みは、審査を通過した後に行わなければなりません。そのため、それ以前に実施してしまった取り組みについては対象外となってしまう点にご注意ください。

<h3>申請に必要な書類の作成と提出方法</h3>

補助金・助成金の申請に必要な書類は制度によってさまざまです。商号や氏名、住所などを記載する申請書や補助金・助成金を使った取り組みを記載する事業計画、決算書や労働者名簿等の添付書類などが一般的な提出書類となります。

提出方法については、以前は紙提出が主流でしたが、昨今のコロナ禍やDX化の波を受け、書類をデータ化し、システム上から電子申請する方式が増えています。印刷や郵送といった手間が無くなった反面、パソコン等が苦手な方にとっては別のハードルとなっている側面があるようです。

<h3>審査を通過するためのポイントと事業計画の作成方法</h3>

補助金・助成金にはさまざまな制度があり、それぞれ対象とする事業者や取り組み内容が異なります。審査を通過するためには、自社にマッチした制度を選択するというのが最も有効な手段です。そのためにも事前のしっかりとした情報収集が必要不可欠です。

また、提出する書類の中で最も準備に時間を要するものが事業計画です。審査を通過するかどうかは事業計画の出来によって左右されると言っても過言ではなく、自社や競合の現状、今後の市場の展望など精緻な分析が必要になります。アドバイスをもらえるサポーターの存在があれば、審査を通過する確率はグッと高まるでしょう。

各地域で利用可能な補助金・助成金・融資情報

ここでは起業者向けとして実際に募集された支援制度をご紹介します。毎年、内容が変更されたり、制度自体が創設・廃止される場合があるため、申請時は最新情報をご確認ください。

東京都や大阪府をはじめとした都市部での補助金・助成金

令和5年に東京都が募集したのが「創業助成事業」です。募集期間が短く、小まめに情報収集をしていないと見逃してしまうでしょう。また、「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」や「商店街起業・承継支援事業」といった都内商店街で創業する方を応援する補助金・助成金も募集されていました。

大阪府では「大阪起業家グローイングアップ補助金」が募集されていました。府の開催するビジネスプランコンテストで入賞することが申請の要件となっていることが特徴です。

地域の中小企業や個人事業主を応援する補助金・助成金

全国津々浦々、どこの事業者でも利用できるのが国の募集する補助金・助成金です。その中でも「小規模事業者持続化補助金」は登竜門的な補助金とされています。その名の通り、小規模事業者の販路開拓を応援する補助金で、スモールビジネスで創業した方にオススメです。

昨今のM&Aや第三者承継ブームといったトレンドから、誰かの事業を引き継いで創業する方も増えています。そんな方には「事業承継・引継ぎ補助金」の活用が検討できるでしょう。

地方自治体や政府系金融機関による補助金・助成金・融資の情報

各地方団体でもそれぞれ地域の特性を活かした補助金・助成金が準備されています。特に都市部からの移住や空き家を活用しての創業を考えている方への支援が手厚いというのが全国的な状況になっています。また、借入時の利子を補填してくれる制度のある自治体も数多く存在します。

民間の金融機関で融資を受けることが困難な創業予定者や創業間もない方の強い味方が政府系の金融機関です。日本政策金融公庫では「新創業融資制度」をはじめ、無担保・無保証でも借入ができる制度が充実しています。

補助金・助成金のメリットとデメリット

ここでは補助金・助成金のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。両者を比較し、自社の現状や取り組みの計画等も勘案して、申請するかどうかを検討してください。

補助金・助成金を活用する際のメリット

補助金・助成金の最大のメリットは、返済が不要という点です。数十万円から数千万円といった大きな金額を自社の設備投資等に利用できるため、資金繰りの安定化に繋がります。

また、対外的に信用力が高まるという効果も期待されます。審査を通過した事業計画は、国等からお墨付きを得られているため、取引先や銀行などから一定の評価を得ることができるでしょう。

事業の加速度的な発展に繋がるという点も挙げられます。本来であれば、長年の利益の蓄積や借入などで集めるような額の資金を一度に受け取ることで、一気に事業拡大が実現できるという点も魅力です。

補助金・助成金を活用する際のデメリット

補助金・助成金の申請には、準備に多くの時間を要します。事業計画の作成は一朝一夕でできるものではなく、特に、規模の小さいビジネスの場合、事業主や代表本人が事業の合間を縫って行う必要があるため相当に大変です。

また、申請したからと言って、必ず補助金・助成金が受給できるとは限りません。申請した結果、審査を通過できないといった可能性も十分にあります。

補助金・助成金は原則、後払いである点にも注意が必要です。対象となる取り組みに要し経費は一度自己資金ですべて支払う必要があり、その間の資金繰りも検討しておく必要があります。

より詳しく知るための主な情報源

最後に補助金や助成金、融資などの情報を効率的に収集できる情報源についてご説明します。情報源を一つに絞ると、偏りや誤解に繋がる可能性があるので、必ず複数方面から情報を集めるようにしてください。

Webサイトやスマホなどデジタルツールでの情報収集

現代はネットから手軽に情報を獲得できる時代です。しかし、個人のブログなどどこの誰が書いたかわからないものも多く、信頼に足るかは自身でしっかりと見極める必要があります。見極めに自信の無い方は、「中小企業向け補助金・総合支援サイト ミラサポplus」や「支援情報ヘッドライン J-Net21」など国が運営するサイトを利用すると良いでしょう。

業界団体や金融機関での情報収集

日頃から業界団体や金融機関などと付き合いのある方は、そういった民間団体・企業からの情報収集も有効です。業界団体ではあなたのビジネスにマッチした補助金・助成金を取り扱っている可能性が高く、金融機関では補助金・助成金入金までの資金繰りも相談できるため、効率的に取り組みを進めていくことができるでしょう。

自治体や商工会議所・商工会での情報収集

自治体や商工会議所・商工会などの身近な公的機関は敷居も低く、相談しやすい相手と言えます。特に、自治体は独自の支援、商工会議所・商工会は「小規模事業者持続化補助金」のオフィシャルな相談窓口として、規模の小さい事業者にも寄り添った支援を期待することができます。

この記事を書いた人

診断士ライターH

中小企業診断士。これまで事業者の融資・補助金申請を200件以上支援した経験を持つ。SNS運用などWebを使ったマーケティングも得意としており、クラウドファンディングではこれまでに累計1,000万円を超える支援金の獲得をサポート。簿記・FP・基本情報技術者等の資格も保有し、ビジネス・金融・IT系のWebライターとしても活動。

スポンサード