【テンプレ制作者による解説】ビズトクの請求書テンプレート活用法
はじめに
この記事では、個人事業主の方が請求書を発行する際に知っておくべきことを、請求書を日々目にする現場にいる筆者がなるべく網羅的に記しています。無料のテンプレートをご用意していますので、ダウンロードしてすぐに実践・作成がいただけるようにしております。今すぐ請求書を発行したいという方のお役に立てる内容となっていますのでぜひご覧ください。
請求書テンプレートのダウンロード方法
エクセルで作成する請求書テンプレートのダウンロード
当ページではExcelで作成ができる請求書のテンプレートを用意しています。ダウンロードした後に、ご自身の使いやすいようにカスタマイズして使用することができますので、業種やお仕事の内容、取引先などに合わせて加工してお使いください。
登録不要でダウンロードできる無料の請求書テンプレート
当ページでダウンロードできる請求書は無料です。また、面倒な登録などもせずに簡単にダウンロードできますので、お気軽に使用ください。
シンプルなデザインの請求書テンプレートをダウンロードしよう
当ページから、無料の請求書テンプレートがダウンロードできます。このテンプレートは、カスタマイズして使用がしやすいようにシンプルなデザインにしています。もちろん、手間をかけて編集しなくてもそのまま使用することもできます。
個人事業を始めたばかりで請求書の作り方がわからない、請求書のテンプレートを用意したいがどれを選んだらいいのかわからない。といったお悩みをお持ちの方はぜひこのテンプレートをご使用ください。
上級者の方は、自分の事業で使うロゴなどを作成して請求書に載せておけばデザイン性が高まります。デザイン系のお仕事をされている方は、自分の仕事の宣伝にもなるでしょう。
個人事業主やフリーランス向けの請求書テンプレート
個人事業主の方、フリーランスの方、その他に開業をしたわけではないけど、副業のつもりで仕事をしていたら「請求書を作ってください」と取引先から言われたという方も、請求書のテンプレートをこちらからダウンロードしてご使用ください。
効率的に請求書を作成するためには、テンプレートを利用することがおすすめです。
自分の情報などを一度記載しておけば、毎回入力する必要がなくなりますし、振込先口座の誤入力なども防ぐことができます。
また、数式を入力して、消費税額や合計額などの計算を自動でできるように設定しておけば、省力化につながるだけでなく、請求金額の記載誤りなどを防ぐこともでき大変便利です。
最近では手書きの請求書は受け取らないという会社もあるようです。
手書きだとどうしてもミスが起こりがちであったり、数字を書き足して改ざんができてしまったりという可能性もあるので、パソコンで作成することを求められるケースも増えてきているようです。
有料の会計ソフトを導入すると、請求書作成システムが使用できる場合もありますので、その機能を使用することも有効です。
確定申告のために自分で会計ソフトを使用して帳簿をつける、という個人事業主の方は自分が使っている会計ソフトに請求書作成サービスが付帯しているか確認してみましょう。
次のパートでは請求書を作る際の基本的な考え方や知っておくべきことなどを記載しています。ダウンロードしたテンプレートを眺めながら、請求書を作成して取引先に送るまでの流れをご確認ください。
請求書テンプレートの書き方と使用方法
請求書を作るにあたっての心構え
このパートでは、請求書に含めるべき主要な項目とその書き方を紹介します。その前に、請求書を作成する意義を理解することは大切です。
◆請求書は、「誰と誰の間で」、「どんな取引・サービスが行われて」、「その対価としていくらの金額を」、「いつまでに」、「どうやって支払うのか」を明示するために作成します。
そのため、自分(個人事業主)と相手(顧客)の情報や、取引内容、請求金額や振込先などの情報を記載していく必要があります。
請求書の基本的な書き方と重要項目
1. 自分(個人事業主)の情報
- 名前と連絡先: 自分の名前、住所、電話番号、メールアドレスなどを明記します。個人事業主で特に屋号などを決めていない場合は、自分の名前をフルネームで書けば問題ありません。
ちなみに、屋号がある場合は個人名と屋号の両方を必ずしも記載する必要はありません。屋号のみの記載でも問題なく請求書として有効です。
- インボイス番号: インボイス番号がある場合は、Tから始まる13桁のインボイス番号を記載します。インボイスについては別のパートで詳細に触れています。
2. 相手(顧客)の情報
- 顧客名と連絡先: 請求先顧客の名前を記載します。必須ではありませんが、部署名や担当者名が分かるのなら記載しておくと丁寧でしょう。
3. 請求書の詳細
- 請求書番号: 案件が複数ある場合などに、請求書番号や案件番号を振ってあると、顧客側で請求書の識別が楽になります。また経理処理をする場合に二重計上などを防止することにもつながります。
- 請求書の日付: 請求書の作成日を記載します。締め日がある場合は、締め日も記載すると良いでしょう。
4. 取引内容の詳細
- 提供したサービスや商品の詳細: 提供した内容や商品名、数量、単価を記載します。
この時、消費税について相手側と取り決めがあればその取り決めに従って記載します。消費税については別パートで詳細に解説しています。
- 提供した日付: サービスや商品を提供した日付を記入します。この日付は請求書の発行日付とは異なり、実際に業務を行った日が該当します。
5. 金額と支払条件
- 合計金額: 請求書の合計金額を明記します。
- 税額と税率: インボイスの要件を満たすためにはそのサービスや商品にかかる消費税の税率と税額を記載する必要があります。税率が複数にわたるパターンもあるので、税率ごとの合計額と消費税額の記載が必要です。
- 源泉所得税: 源泉徴収の対象となる取引の場合は、源泉徴収税額も記載しておくと丁寧です。原則として支払い側(顧客側)に源泉徴収義務がありますので、記載がなくても問題はないですが、記載しておくと後々の自分の経理処理の際にも役に立ちます。
- 支払期限: 支払い方法や支払い期限を詳細に記載します。特に取り決めがなかったり、期限を記載するのがためらわれるような関係性であったりする場合は記載をしなくても問題ありません。
- 支払口座: 振り込んで欲しい口座を記載します。銀行名、支店名、口座番号、口座名義人などを誤りないように記載します。この時、振込手数料について相手負担かこちら負担かの取り決めがある場合は記載しておきましょう。
請求額や消費税の計算方法
先ほど記載したように、請求書には請求額を計算して記載する必要があります。
請求する金額は自分と取引先との取り決めにより計算をします。一般的には1サービスあたりの単価と数量を記載して請求金額を算出します。単価が時間数で決まっている場合には、時間あたりの単価に実際にかかった時間をかけて金額を算出します。
例えば、LINEスタンプのデザインを、1カットあたり500円で引き受けて50カット
作成したとしたら、単価500円×50カット=25,000円が金額になります。
そして忘れてはならないのが消費税です。消費税というと、コンビニやスーパーでの買い物や、時計・車の購入など、「モノを買うこと」に対してかかるイメージがありますが、先ほどのLINEスタンプを作るといった「サービスの提供」にも消費税がかかることになっています。
消費税は支払側(取引先)から預かっている性質となり、預かった自分が納税するルールになっています。しかし原則、売上が1,000万円以下の方は消費税を納めなくて良いルールとなっているので、あまり意識したことが無い方も多いかと思います。
しかし、納める必要が無い免税事業者であっても、国内で行われるサービスの提供には消費税がかかるため、消費税については記載を行うことが原則です。
一部の軽減税率の対象となるものを除いて、消費税率は10%です。先ほどのLINEスタンプの例に当てはめると、25,000円+2,500円(税)=27,500円が相手方に請求する金額となります。
このようにして消費税を計算し請求書に記載をしてトータルの請求額を計算します。
<h3>消費税の計算方法について!外税と内税の違いとは?</h3>
前のパートで記載したLINEスタンプの請求金額のように、本体価格+10%の税で構成される請求金額を「外税」と言います。
「外税」と対になる言葉に、「内税」という言葉があります。
相手が支払う金額を丸い金額にしようと思ったときに、「このお仕事は30万円で引き受けますよ!」と伝えたりします。30万円+3万円の外税方式にせず、30万円ぴったりの支払いを受ける場合、この30万円の中には消費税が含まれ、税込30万円という考え方になります。この考え方が「内税」です。
厳密に分解するならば、272,728円+27,272円(税)=300,000円という内訳になっています。インボイス制度が始まって以降は、インボイスの要件を満たすための要件の一つとして適用税率と消費税額を記載しなければならなくなりましたので、内税方式で請求金額を定めている方も、この考え方を覚えておくと良いでしょう。
英語での請求書作成に対応したテンプレートの使用方法
取引の相手方によっては、請求書を英語で作成しなければならないという方もいるでしょう。
英語で作成をする場合も、テンプレートを利用してフォーマットを作ってしまえば柔軟に作成の対応をすることができます。
英語で作成をする場合も、記載する事項は概ね変わりません。英語で頻出の請求書単語を覚えておきましょう。
◆請求書 ⇒ Invoice
◆日付 ⇒ Date
◆住所 ⇒ Address
◆内容・品目 ⇒ Description
◆単価 ⇒ Unit Price
◆数量 ⇒ Quantity(Qty)
◆金額 ⇒ Amount
◆小計 ⇒ Sub total
◆合計 ⇒ Grand total
◆税 ⇒ Tax
◆手数料 ⇒ Fee
◆領収書 ⇒ Receipt
海外の取引には日本の消費税がかからない場合がありますので、その取引が消費税の対象かどうかが心配な時は最寄りの税務署や税理士に確認をしましょう。
見積から請求書、納品書まで連動したエクセルテンプレートの利用法
請求書の他に、取引の内容を明示・証明する書類として、領収書や納品書などがあります。
法的に作成が必須なものではありませんが、請求書を補完するものとして有効な書類です。
特に領収書は、請求書の発行を省略するケースなどには作成をした方が望ましいでしょう。
インボイスの要件を満たすために、請求書に代えて一定の項目を記載した領収書で対応するケースもあります。
見積から請求書、納品書まで連動して作れるテンプレートを用意しておけば、
・見積もりの提示
・請求書の送付
・納品書の交付
というそれぞれのタイミングで使用する書類を一気通貫で楽に作成できます。
それぞれの書類の発行が必要になる場合は、連動したエクセルテンプレートを活用することが断然おすすめです。その都度書類を作成していくと、入力ミスや取り違えによって請求書と納品書で商品が違った…!などの事態が起こり得ます。
請求書テンプレートに必要な情報とその入力
請求書に必要な項目と入力方法
それでは実際に、請求書テンプレートを使用しながら、次のステップに従って自分の情報を入力して、ベースとなる請求書を作っていきましょう。
まずは自分の情報を入力して、毎回入力しなくても追加回しができるようにベースを整えます。住所や電話番号は引っ越しや機種変更が無ければ基本は変わらないと思いますし、インボイス番号は一度取得するとその番号は自分の固有の番号となります。
請求書に印鑑は必要なのか
良くある疑問として、「請求書に印鑑を押す必要があるのか」、というものがあります。結論から言うと、請求書への印鑑の押印は必須ではありません。
ただし、請求書に印鑑があると、その人が発行した請求書だという信頼性が増しますので、印鑑を押すことはある程度一般的な慣習でした。しかし、昨今のハンコレスの流れを受けて、印鑑を省略するケースも増えていますので、印鑑が押していなかったからと言って無効になるということは決してありません。
ちなみに、最近では請求書を電子データでやり取りをすることも増えたため、電子データ上で印鑑を押すことができる電子印鑑のようなサービスも普及しつつあります。
そういった本格的なサービスを使用しなくても、印鑑の画像データを用意しておいてテンプレートに張り付けておくことで毎回印刷して押印をしなくても印鑑があるように表示することもできます。
口座情報の項目と振込先の記載
振込先の金融機関名、支店名、預金種別(普通預金・当座預金など)、口座番号、口座名義人の情報を記載していきます。銀行振込の際に必要になる情報として、口座名義のカタカナ表記は大変重要です。
漢字で自分の名前を書いておいただけだと、名前の読み方が難しい方の場合など最悪のケースでは、振込手続きが完了できず、先方に手間と迷惑をかけてしまうことがあります。必ずカナで口座名義を記載しましょう。
請求書の作成から少し外れますが、事業用の入出金がある口座は生活用資金の出入りがある口座と切り離して、事業専用のものを作ることを強くおすすめしています。その方が後々確定申告をする際などに経理処理が格段に楽になります。
口座を含めた自分の情報を入力ができたら、ベースになる請求書は完成です。
<h3>販売や業務の内容を記載する箇所</h3>
次のステップでは、案件ごとに相手の情報などを記載し先方に実際に送る請求書を作っていきます。
1. 相手(顧客)の情報
2. 請求書の詳細
3. 取引内容の詳細
4. 金額と支払条件
上記の情報を一つ一つ入力していきます。大前提として注意すべきことは、請求書は非常に重要な書類なのでミスや記載誤りがあると信頼を失うことにつながり、最悪の場合は次のお仕事がなくなってしまったりします。
したがって細心の注意を払って請求書の情報を入力していきましょう。特に間違えてはいけないのは相手の名前と金額です。名前を間違えることは大変失礼に当たります。また金額を間違えてしまうとそれが故意でなくても、約束と違う金額で請求してきたというネガティブな印象を与えてしまいます。
また、請求書の詳細欄にはできるだけ詳細に情報を書きましょう。納品日や案件ごとの日付、案件名、実際に行った業務などを記載してわかりやすく残すことが大切です。
例えば、
「2/16 犬とのふれあい動画作成プロジェクト @代々木公園 撮影料として 」
といったイメージで詳細な内容が分かるように記載をします。
各行に単価と数量を書く欄がありますので、上記のような例で「撮影料」と「編集料」が分かれている場合には、行を分けて記載すると良いでしょう。
金額、期限などを記載する箇所
次に金額や期限を入力していきます。どこにどの項目を入れるか明確なルールはありませんが、人間はA4縦の用紙を見る時に左から右へ、上から下へと目線が移っていくことが一般的です。
案件詳細を書いた場所の右側に、単価と数量を記載し、それらをかけた案件ごとの金額を記載すると自然な流れで数字を読むことができます。
請求書の右方に案件ごとの金額が並んだら、その金額を縦に足し合わせていって小計額を入力します。
意外と間違えがちなケースとして、「値引」をするケースが挙げられます。結論から言うと、値引は小計額を計算するまでの過程で、一つの項目として入力して差し引き計算する方法が正しい記載となります。
◆2/16 犬とのふれあい動画作成PJ@代々木公園 撮影料として 50,000円
◆2/17-2/20 犬とのふれあい動画作成PJ @代々木公園 動画編集料として 150,000円
◆値引 10,000円
小計額:190,000円
と計算し、その後で消費税をかけていきます。
消費税をかけた合計額から引いたり、源泉所得税を引いたりする前後で値引を行うと、次のパートで説明しているような消費税計算、源泉所得税計算において計算結果が変わってしまうことにつながります。
支払期限は、「備考欄」や振込先口座を記載する欄の近くに記載しておくと目線の流れに沿って自然になります。
消費税対応や税率、源泉徴収についての記入ルール
小計額の記載ができたら、その小計額に消費税率10%ないし8%をかけて消費税額を算出します。算出された消費税額を先ほどの小計額と足し合わせると合計額となり、実際に請求をする金額が出てきます。
もし源泉所得税がある取引の場合は、消費税額の下に源泉所得税の額を記載しましょう。計算式は、小計額+消費税額-源泉所得税額=合計額となります。
最後に、請求書の一番目立つところ(上方左側)に合計額を転記して「請求額」の欄が埋まったら金額の計算は一通り完了です。
以下には、請求書の金額計算に関するポイントを記載していきます。
1.インボイスの要件を満たすためにはそのサービスや商品にかかる消費税の税率ごとの小計額と税額を記載しなければいけなくなりました。消費税が10%のお仕事と8%のお仕事が混在する場合には、小計額をそれぞれの税率ごとに記載できるように、小計欄を複数作る必要が出てきます。
2.源泉所得税の税率は、100万円以下の金額に対しては10.21%、100万円を超える部分に対しては20.42%となります。原則は「税込」の金額に対して税率をかけるのが正しいのですが、本体価格と消費税額が明確に分かれているときは本体価格部分に税率をかけることが認められています。
どちらに税率をかけた方が得なの?という疑問に出会うことが多いですが、実はどちらでも最終的な結果は一緒になります。確定申告をすると、正しい税額が計算され、納めすぎていた税金は返ってきますし、足りなかった税金は納付する必要があります。
源泉徴収時点で天引きが多くても少なくても最終的には結果は一緒になるんですね。ただ、天引き額が少ない(=税抜金額に税率をかける)方が、支払時の手取り額が大きくなるので、先にもらえるお金が多い方がお得感があるという面はあるかもしれませんね。
3.消費税や源泉所得税の計算は前述のようにきちんと順番が決まっています。例えば小計から先に源泉所得税を引いて、その後に消費税率をかけてしまうと、請求額が全く違ってしまいますので要注意です。
請求書テンプレートのカスタマイズと追加機能
ビジネスに合わせてフォーマットをカスタマイズする方法
ここまで請求書の作成の流れやポイントを理解できたでしょうか。ここからは少し上級編となり、テンプレートをカスタマイズしていくポイントについて記載していきます。
請求書のカスタマイズのポイントはいくつかあります。
1.デザインの変更
Excelのセルの色やタイトルの色を好きな色に変更したり、フォントを自分好みのものに変更すると、より洗練された請求書になります。ロゴなどの色に全体的な色のトーンを合わせることもアイディアの一つです。
2.レイアウトの調整
文字の大きさや目立たせたいポイントを太字にするなど、視覚的な部分を調整しても良いでしょう。消費税率が複数にまたがるようなお仕事をされている方は、消費税ごとの小計が入力できるように、欄を追加しておきましょう。
3.英語表記の追加
請求書を日本語圏以外の関係者が目にする可能性があるなら、各項目の横に英語表記を入れておくことが親切です。
もし余力があるのであれば、Excelやスプレッドシートなどで、案件ごとの業務完了日、請求書発行日、入金日を入力して進捗の確認できるような仕組みづくりをしておくと、入金額相違や入金遅延などにもいち早く気付くことができます。
それぞれに対応する案件番号を設定しておくと、後々振り返りをする際にも大変便利になります。その場合は請求書にも案件番号を記載できるようにテンプレートを加工しておくと便利でしょう。
エクセルテンプレートの便利な追加機能と使い方
エクセルを使用した請求書テンプレートには便利な追加機能があります。これらを利用しながら効率的に請求書を作成しましょう。
1.数式の入力による自動化
エクセルの各行ごとの金額欄には、数量と単価から金額を自動計算する数式を設定しましょう。小計欄にはSUM関数を入力すると自動で縦列の小計が計算されます。そして、消費税欄、源泉所得税の欄にも税率を入れた数式を設定しておけば、請求書の作成が効率的になります。源泉所得税は100万円以上から税率が変わりますのでIf関数を使用しましょう。
2.プルダウンメニューの設定
プルダウンリストを作っておくと、一定の項目以外の数値や内容を誤入力する可能性を減らすことができます。また、選択肢から選ぶだけなので入力もスムーズになります。
3.条件付き機能の設定
Excelの条件付き書式の機能を使えば、支払い金額や項目のルールに応じて、特定のセルを自動的に強調表示することができます。たとえば、立替経費の欄だけ薄いグレーにする、見積もりと変わった金額だけ色を変えるなどの活用ができます。
請求書テンプレートの発行と郵送方法
エクセルテンプレートを利用した請求書の発注と発行
ここまでご覧いただいた流れで、テンプレートの確立、案件ごとの請求書作成まで到達できたのではないかと思います。
ここからは、実際に作成した請求書を取引先に交付していく流れを解説します。
依頼されたお仕事が完了したら請求書を完成させます。ビジネスシーンでは請求書を発行するということはごく一般的な作業ですので、「仕事が完了しました!」と取引先に報告すると、「ありがとうございました!請求書送ってください!」と先方から言ってくれることもしばしばあります。
請求書はデータで送った方が良いか、紙で送った方が良いかを聞きましょう。データでと言われたらメールやクラウドでの共有で先方に渡し、紙でと言われたら郵送をします。送った後に、発送しましたのでご確認よろしくお願いします、と一言入れておくと親切でしょう。
そして請求書は送って終わりではありません。期限までに入金があるかを照合チェックしましょう。期限を過ぎても振り込みが無い場合や、違う金額が振り込まれてきたときは必ず連絡しなければなりません。
年末に送る請求書は要注意です。確定申告にあたっては、1月から12月の「収入」を集計して申告をしますが、この「収入」とは厳密には1年間で口座に入ってきたお金の合計額とは異なります。
「発生主義」と言い、お仕事が完了して収入を得る権利を得た時点で、収入があるものとみなされます。請求書を送ったけどまだ入金がないという取引は、「売掛金」として管理し、確定申告に含める必要があります。
最後に実際入金になったら、お礼の連絡を一本入れましょう。
完成した請求書の郵送やメールでの送付する際の注意点
請求書の送付方法については、郵送での送付と電子データでの送付の大きく2つがあると述べました。
請求書を郵送する場合は、郵便局や最寄りのポストなどから発送をします。配達の記録を残す場合は、レターパックや簡易書留など追跡可能な配送サービスを利用しましょう。
PDFファイルなどの電子データで送る場合は、メールへの添付やクラウドへのアップロードなどの方法があります。
請求書を保管する場合は、電子帳簿保存法にも気を配らなければなりません。詳細はこのページでは割愛しますが、紙で送った書類の控えは原則紙のままで、電子データで送った請求書の控えは原則電子データで保存しましょう。
請求書の発行側も7年間の書類保存義務があります。
万一の税務調査などに備えて、発行した請求書はわかりやすい場所で一括管理し、必要な請求書をいつでも提示できるように整理して保存しておくことが必要です。
請求書の支払条件と受領、検収の方法
請求書を発行する立場になることもあれば、請求書を受領する立場になることもあるでしょう。請求書を送る側の立場に立ちながら、気持ちの良い取引を心がけるとともに、受領した請求書についてもしっかりと対応する必要があります。
まず請求書を受け取ったら、請求内容・金額・振込先・期限を確認します。そして内容に問題が無ければ必ず期限内に支払うように心がけましょう。入金の催促というものは非常に労力がかかり気も遣う作業ですので相手に負担のかけないように努めるのがベターです。
内容に不備がある場合は、すぐに先方に連絡し正しい請求書を再発行してもらいます。請求書は大事な書類であることを再三申し上げてきましたが、そうは言いつつも請求書の内容が間違っているということは割と少なくない頻度で目にします。間違っているかも…!という目線で確認することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このページを参考にぜひ請求書のテンプレートをダウンロードして自分なりのカスタマイズを加えてみてください。
この記事を書いた人
山崎
現役の会計・税務業界人。CFP(認定ファイナンシャルプランナー)資格を保有。
メガバンク・生命保険・中小企業の経理担当・会計事務所での実務経験を有する。
資産形成が好きで、ロボアドを活用した投資を軸に、NISA、iDeCo、外貨建生命保険、変額保険、現物株、海外株、仮想通貨、マイクロ法人など様々な投資を行っている。