2024年4月6日 投稿者: 2of オフ

【経験豊富な中小企業診断士が解説】個人事業主が知っておきたい節税対策

1. 節税の重要性  税金の理解( 節税のメリット・デメリット )

これから起業の準備をしようという方、または実際に起業し、売上があがったものの、税金が心配、あるいはどのように帳簿をつけて良いか分からないといった個人事業に主の方は少なくないのではないでしょうか。

ここでは、節税に対する考え方や、その有効性などについて解説します。

節税は、個人や企業が税金を節約するための方法です。節税を行うことで、収益の最大化、キャッシュフローの改善、資金の再投資などのメリットがあります。

【節税のメリット】

  • 収益の最大化
  • キャッシュフローの改善
  • 資金の再投資

2.納税の重要性と節税に対する考え方

納税は、国民の義務であり、社会の基盤を支えるために必要不可欠なものです。納税によって、国の公共事業や社会保障制度などが整備され、私たちの生活は支えられています。また、納税は、国民の信頼を得るためにも重要な役割も果たしています。一方、節税は、合法的に納める税金を減らす行為であり、節税をすることで、手元資金を増やすことができます。しかし、節税は、その趣旨や手段を間違えて、手続きをしてしまうと脱税行為になりかねません。節税と脱税は異なります。脱税は、違法な方法で税金を逃れる行為であり、法律に違反するものですが、節税は、税務制度に即した方法で、合法的に納める税金を減らす行為です。

そのような意味合いから、納税と節税は、国民の義務と権利を表す言葉と言い換えることもできます。

短期的にみると節税をすることの方がメリットは大きく、出来るだけ納税額を抑えたいと考えてしまうかもしれません。しかし、必ずしもそうとは限りません。長期的な視野に立つと、しっかりと納税をしておいた方がメリットは大きいという見方もできます。なぜならば、しっかりと利益を出して、納税をした方がその後のビジネスにおいて金融機関などからの評価も高く、次の投資を行うことが可能になるという面があるからです。

利益を出して、しっかりと納税をするか、あるいは現段階では納税額を抑えるために節税を行うかは、そのバランスは、後のビジネスの方向性を位置付ける判断次第ということもできます。

3.節税の種類について

税金は、売上そのものにかかるのではなく、売上から①業務必要な経費や②制度上差し引くことが認められた金額(控除)を差し引いた残りの「所得」に対して、所定の税率を適用することで計算します。

節税には、これらの税務上、認められた控除を用いたり、経費を適切に計上したりすることで納める税金を抑える方法があります。控除とは、所得や算出税額からルールに従って、一定額を差し引くことができる制度です。所得税や住民税を計算する際に、この控除を利用することで、納税額が少なくなります。また、経費とは業務のために使用した支出のことです。所得を出す際は売上から経費を差し引きするため、経費が増えれば課税対象になる所得自体を小さくできます。

4.税金の種類と、そのメリット

税金の種類には、所得税や消費税、地方税などがあります。それぞれの税金ごとに、納税者にとってのメリットや、その節税方法は異なります。所得税は、個人の所得に対して課される税金です。所得税を節税する方法には、控除の活用の他に経費の計上があります。

1)控除による節税について

会社員の節税手段のほとんどは、「所得控除」を活用した方法です。所得控除は、課税所得から一定額を差し引く制度であり、個々の経済力を考慮した控除があります。

また、税制優遇制度の利用も有効です。確定拠出年金やNISA(非課税口座)など、税制優遇制度を活用することで節税効果を得られます。

これらの制度の活用は節税効果だけでなく、将来の資産形成やライフプランの恩恵も受けることが出来ます。

ここで、ご紹介をした控除の制度以外にも、年度によって、特例措置による免除などもあります。常に最新の情報を仕入れられるよう、定期的な情報収集をおこなうことを勧めいたします。

節税対策は個々の状況に合わせて行うべきものです。専門家のアドバイスを仰ぎながら、効果的な節税方法を選択することをお勧めします。

控除制度概要年末調整での調整
扶養控除子どもや親などの控除対象の扶養親族がいる場合に、対象となる
医療費控除納税者がその年に自分または、自分と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費が一定額を超える場合に対象となる不可(確定申告)
セルフメディケーション税制医療費控除の特例として、健康の維持増進や疾病の予防に取り組む個人が、一定の医薬品を購入した際に所得控除を受ける制度不可(確定申告)
生命保険料控除納税者が生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合に、受けることが出来る所得控除
地震保険料控除納税者、または納税者と生計を一にしている配偶者やそのほかの親族が所有している居住用の建物や家財を保険の対象として受ける所得控除
寄付金控除寄付金控除(きふきん こうじょ)とは、寄付を行った金額を所得税や法人税の控除として税金の減免を受ける制度不可(確定申告)
住宅借入金等特別控除自己の居住用不動産の取得や建設に係る借入金(住宅ローン)に対して支払った利子や借入金返済に充当した金額について、一定の金額を超える部分を所得から差し引くことができる初年度のみ確定申告必要
ふるさと納税生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度であり、寄付金の一部が所得税の還付や住民税の控除として返ってくる。不可(確定申告)

2)経費の差異的利用による節税について

控除以外の節税手段として経費の最適活用があげられます。経費の最適活用には、事業関連の経費、交通費、広告宣伝費などが含まれます。これらの経費を最適に活用することで、収益の最大化やキャッシュフローの改善などが可能になります。事業関連経費は、事業活動に必要な費用のことです。例えば、事務所の家賃や事務用品、機器の購入費用、電気代などの水道光熱費、通信費、旅費交通費などが含まれます。これらの費用は、事業に必要不可欠なものであるため、必要経費として節税の対象となります。

旅費交通費は、出張や移動にかかる費用のことです。自動車や電車、バスなどの交通手段を利用する場合、その費用を交通費として計上することができます。飛行機や新幹線など金額が大きいものはもちろんの事、ICカードを利用して支払った、交通費は計上を忘れがちですが、交通費は経費の中でも特に大きな割合をしめる経費です。そのため、忘れずに計上することで税金を節約することができます。

広告宣伝費は、商品やサービスを宣伝するためにかかる費用のことです。その名の通り宣伝をするための広告費用です。分かりやすいものではテレビCMや、動画サイトで目にする広告など、ポスターやチラシなどがあげられます。広告宣伝費も、事業にとって重要な費用であるため、経費の対象となります。

ここで注意しなければならないことは、あくまでも仕事をする上で必要となる経費であるということです。なかには仕事とは関係がないプライベートで使ったお金を経費計上しようとする方もいらっしゃいますが、これは制度上、認められません。

しかしながら、個人事業主として自宅兼事務所でお仕事をされる方の中には、購入した物品やサービスをお仕事以外でも利用したいという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、「家事按分」という考え方を、ご紹介をしたいと思います。

家事按分とは、個人事業主が購入した物品やサービスの金額を仕事で利用する割合とプライベートで利用する割合に分けて計算する方法です。

例えば、自宅を事務所として使用する場合に、家賃や光熱費などの生活費と事業費を分けることなどです。 この場合は、事業で使用した分の家賃や光熱費を経費として計上することができます。

家事按分の計算方法は、居住スペースと事業で使用しているスペースの割合から求める方法と、事業で使用している部屋を使用した時間の割合から求める方法があります。

また、必要以上の按分率で計算している場合や、生計を共にする家族や親族に支払う家賃は経費計上できないことに注意が必要です。

たとえば、家族と同居している3LDKの賃貸マンションの1部屋を事務所として利用しているとしましょう。

この時、賃料を支払う先が生計を共にする、家族や親族である場合は、経費としては認められません。

また、按分の方法に妥当性が無く、必要以上の按分率で計算している場合なども経費としては認められません。

居住スペースと事業で使用しているスペースの割合から求める場合の計算方法の例としては、家族と同居している3LDKの賃貸マンションの家賃が10万円で、総面積が50㎡、このうち事業で利用している部屋の面積が10㎡だとします。

この場合は家賃を事務所として使用している部屋の面積で割った金額(10万円 × 10㎡ ÷ 50㎡ = 2万円)を経費として計上します。

一方、事業で使用している部屋を使用した時間の割合から求める場合の方法は、1週間のうち、どれだけの時間をその部屋で使ったかによって計算をします。

1日は24時間なので、1週間はその7日分として、24時間×7日=168時間です。

これに対し、この部屋を仕事で使う時間が1週間のうち、40時間だったとします。

(ここでは平日のみ、1日8時間働くとして8時間 × 5日=40時間という計算をしています。)以上より、40時間 ÷ 168時間 ≈ 25%と計算し、支払った家賃や光熱費のうち25%を経費として計上します。

家事按分を行う際は、業務に直接関連するものであることや、業務遂行上の必要性があるか否か、業務用の金額を明確に区別できるかなどの要件があります。

家事按分の方法には明確な基準が存在せず、主観が混じりやすいため、注意が必要です。そのため、客観性を欠く家事按分を行っていた場合、客観性を欠く家事按分を行っていた場合、税務調査時に否認され経費として認められない可能性があります。その結果、過年度分の所得金額が増加することとなり、追加の所得税や過少申告加算税を納税する必要がでてきます。

家事按分に関する詳細な情報は、税務署のホームページや税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

3)小規模企業共済の活用について

小規模企業共済は、日本の中小企業経営者や個人事業主が利用できる退職金制度の一つです。この制度は、経営者自身が自分の退職金を積み立てるための仕組みであり、税制のメリットもあります。

建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合で、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員が加入することができます。

小規模企業共済は経営者の退職金として広く知られており、節税効果を発揮しながら、将来の安心のために備えるものとして、加入を検討されてもよいでしょう。

4)確定申告について

①確定申告とは

確定申告とは、1年間の収入から経費等を差し引いて所得を算出し、そこから納める税金の額を計算して国(税務署)に報告する一連の手続きのことです。

給与所得者は、給与を受け取る際に源泉徴収された所得税や復興特別所得税を天引きされます。しかし、これは概算額であり、確定申告によって最終的に所得税額を確定させるのが確定申告です。また、確定申告によって、所得控除が適用された場合、納税額が減少し、還付金が発生することがあります。

自営業者やフリーランスの場合は、経費や減価償却費などを考慮して所得税額が決定します。このように納税者が源泉徴収された税金よりも多く納めていた場合、差額が還付されます。

確定申告の手続きにおいて適切な処理を行うことにより、所得税を節税することができます。

②消費税における節税の考え方

消費税は、商品やサービスの購入時に課される税金です。消費税を節税する方法には、簡易課税制度の活用や、売上区分の分け方の見直しなどがあります。簡易課税制度は、課税売上高が5,000万円以下の小規模事業者が利用できる制度です。簡易課税制度を利用することで、消費税の計算が簡単になり、節税効果が期待できます。また、売上区分を分けることで、消費税を節税することができます。

③地方税における節税の考え方

地方税は、都道府県や市区町村が課税する税金です。地方税を節税する方法には、住民税の控除や、固定資産税の減価償却費の計上などがあります。住民税には、所得控除や扶養控除などがあります。これらの控除を活用することで、住民税を節税することができます。固定資産税には、減価償却費の計上があります。減価償却費を適切に計上することで、固定資産税を節税することができます。

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に発生した所得や経費をもとに、所得税額を計算して税務署へ申告・納税する手続きです。確定申告書は、手書きで作成する方法のほか、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でオンラインにて作成することもできます。また、市販の会計ソフト等を利用することも可能です。多くの場合は必要事項を入力するだけで金額は自動計算され、確定申告書が作成されます。

作成した確定申告書の提出方法は、e-Taxで送信する方法や、直接税務署に持参する方法、郵送による方法の3つがあります。

還付申告では、指定した口座に還付金額が振り込まれます。

また、また、確定申告には青色申告と白色申告があります。

青色申告とは、確定申告の際に一定の水準を満たす帳簿に基づいて申告することで、税制上の優遇措置を受ける制度です。対象者は不動産所得、事業所得、山林所得のある個人です。白色申告と異なり、税務署に申請書の届出が必要であり、高い節税効果が得られます。

青色申告の承認を受けていれば、最大で65万円の控除の優遇措置を受けることができますが、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられています。

また、青色事業専従者給与として、配偶者や子など、15歳以上の家族と一緒に事業を行っている場合、支払った給与を必要経費に算入できます。

(ただし、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族になることはできません。)事業により赤字が生じた場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除できます。前年も青色申告をしている場合は、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。

その他にも、青色申告では、純損失を3年間にわたって全額繰り越すことができるメリットがあります。赤字になった場合、その損を翌年以降に繰り越せるため、節税につながります。また、青色申告者は、一括評価で貸倒引当金を計上できます。

売掛金などの回収ができなくなりそうな場合、その金額を引当金として計上することができます。その上、備品を購入した際には30万円未満であれば一括で経費に計上することも可能です。10万円以上で耐用年数1年以上のパソコンなどを購入した際にはら、一括で経費に計上できます。

このように様々なメリットのある青色申告ですが、申告で65万円または55万円の控除を受けるためには、複式簿記による記帳が必要です。しかしながら、会計ソフトを利用すればそれほどハードルは高くありません。会計ソフトは簿記に詳しくなくても、画面に従い日々の取引を入力していくだけで、帳簿や決算書の作成ができる便利なツールです。会計ソフトには様々な種類のものがあります。単純に金額だけで判断をせず、自身にあったものをお勧めいたします。

表面上は投資金額が安いソフトであったとしても、その後の作業時間の短縮などを、トータルで考えれば逆に損をしてしまうというケースもあります。

青色申告の申請方法については、税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。青色申告をするためには、その年の3月15日までに事前に「青色申告承認申請書」と「開業届」を所管の税務署に提出する必要がありますが、それ自体は複雑な処理はありません。もし、屋号が決まっていれば、その時に税務署に報告をすることとなります。

【青色申告のメリット】

  • 最大で65万円の控除の優遇措置を受けることができる
  • 家族に支払った給与を経費にすることができる
  • 赤字の繰り越しが可能
  • 貸倒引当金の経費化が可能
  • 30万円未満まで一括経費化が可能

一方の白色申告は簡易帳簿でよいとされ、複式帳簿の作成と比べて帳簿つけが比較的簡単です。税制上の優遇措置はありませんが、作業が簡易な分、手続きが楽です。

白色申告をするためには、特に事前の申請は不要です。何も届出を出さなければ自動的に白色申告になります。一般的には青色申告の方が必要経費を多く計上できます。そのため経費を適切に計上することで、所得金額を減らし、税額を軽減できます。

青色申告で節税を実現することで、余裕資金を生み出し、資産形成に役立てることができます。

複式簿記を理解し、帳簿つけに時間をかけられる方にはお勧めですが、帳簿つけが苦手で、手続きを簡単に済ませたい方など最終的な選択は、個々の事情やニーズに合わせて判断すべきです。専門家のアドバイスを仰ぎながら、最適な申告方法を選択してください。

以上のように、節税には様々な方法があります。

適切な節税を行うことで、収益の最大化やキャッシュフローの改善などのメリットが期待できます。節税には、税金の種類によって異なる節税方法があるため、それぞれの税金について理解することが重要です。判断に迷った時は、無理をせずに、その行為自体を行わない、或いは必ず税理士に相談し法律に違反しない方法でビジネスをおこなうことをお勧めいたします。

5. ビジネス構造の最適化

節税を考える上で、最適化なビジネス構造を選択することは重要です。

ここではビジネス構造の種類や各ビジネス構造の税務上のメリットやデメリットについて、ご説明いたします。

ビジネス構造の最適化には、個人事業主、法人、合同会社などのビジネス構造があります。それぞれのビジネス構造には、税務上のメリットとデメリットがあります。

そのため、節税に対する考え方も変わってきます。

1)個人事業主

個人事業主は、文字通り個人で事業を行う形態です。個人事業主は、開業届を提出するだけで事業を開始することができます。個人事業主のメリットは、開業の手続きが簡単であることや、経費の計上がしやすいこと、所得税の控除が受けられることなどが挙げられます。一方、個人事業主のデメリットは、個人の責任で事業を行うため、業務上発生したトラブルは自己責任として対応が必要であることや、組織力を発揮するような形での事業の拡大が難しいこと、金融機関などからの信用力が低く資金調達がしにくいこと、などが挙げられます。

2)法人設立

法人は、法人格を有して事業を行う形態です。法人のメリットは、個人事業主のデメリットを補完したものと考えることができます。つまり、資金調達がしやすいこと、事業の拡大がしやすいことです。一方、法人のデメリットは、設立費用がかかること、経理や記帳などの手続きが複雑であり、顧問税理士をつけることが一般的になりつつあります。

税務上のメリットは法人税の控除が受けられることです。

2)合同会社

近年では合同会社という形態も増えてきています。合同会社は、法人と個人事業主の中間的なビジネス構造ということが出来ます。合同会社のメリットは、資金調達がしやすいこと、事業の拡大がしやすいこと、社会保険の加入が任意であることなどが挙げられます。一方、合同会社のデメリットは、設立費用がかかること、個人事業主と比べて税金が高くなること、経理や記帳などの手続きが煩雑であることなどが挙げられます。

合同会社の税務上のメリットは個人事業主と同様に所得税の控除が受けられることです。

ビジネス構造の最適化には、事業の規模や目的に合わせて、適切なビジネス構造を選択することが重要です。また、税務上のメリットやデメリットだけでなく、事業の拡大や資金調達、社会保険の加入など、様々な観点から検討することが必要です。

6. 法的リスクとのバランス

節税策を実行する際には、法的リスクとのが必要です。節税を行う際には、合法かつ効果的な節税手法を選択することが重要です。節税策を実行する際には、法的リスクが伴うことがあります。おこなった節税策が法律に違反する場合や、税務当局からの調査を受けた場合には、その行為自体が悪意を持っておこなったものではなかったとしても、脱税行為とみなされてしまう恐れがあります。節税対策をおこなう際には、そのような法的なリスクを回避し、合法かつ効果的な節税手法を選択することが重要です。法律に違反する節税策は、法的なリスクを生じるだけでなく、信用失墜や罰金などの大きな不利益をもたらすことがあります。そのため、迷った時は専門家に相談することが必要です。税理士や会計士などの専門家に相談することで、合法かつ効果的な節税手法を選択することができます。専門家は、税務に関する知識が豊富であり、法的なリスクを回避するためのアドバイスを提供することができます。

7. 最新の税制改正への適応

税制改正は、毎年度行われており、最新の税制改正に適応することが重要です。最新の税制改正には、所得税、消費税、法人税など、様々な税目に関する改正が含まれます。最新の税制改正に適応するためには、定期的に財務省や国税庁のホームページなどで情報を収集することが有効です。なぜならば、改正によって、節税手法が変更される場合があるからです。改正に対する適切な対応を行うことで、節税効果を最大限に発揮することができます。

8. 専門家への相談と活用

節税を考える時、税務に関する情報収集は不可欠です。検討している節税策が合法かどうかを判断する方法としては、税務当局の見解を確認することも有効です。税務当局の見解に基づいて行動することで、法的なリスクを回避することができます。また、国税庁のホームページには常に最新の情報がアップされていますので定期的に確認することも必要です。

しかしながら、自身の仕事を持ちながら、常に国税庁のホームページをチェックし続けることは、あまり合理的ではありません。また、ホームページの情報を誤って解釈してしまう等のリスクもあります。

そのようなことが無いように、税金に関するに関する事は、専門家に相談することをお勧めします。

税金に関する知識が豊富な専門家は、節税対策や税務申告の手続きなど、税務に関する様々な問題に対応することができます。また、専門家のアドバイスを活用することで、より効果的な節税戦略を構築することができます。

また、個人事業主であったとしても、一定規模の取引が発生するようになった際には、税務や会計に関する顧問(顧問税理士など)をつけることをお勧めします。

税務、会計に関する顧問をつけることには、様々なメリットがあります。

税理士や会計士は、節税対策に関する知識が豊富です。税務に関する法律や制度を理解しているため、より効果的な節税対策を提案することができます。その結果、節税対策によって、収益の最大化やキャッシュフローの改善などのメリットが期待できます。税理士や会計士への相談は、公的機関を活用した無料相談などを活用することも可能です。

しかしながら、初めて相談では、こちらのビジネスの内容などの個別事情を把握していないため、一般的な回答にならざるを得ない場合があります。

しかしながら顧問契約を結び、定期的なやり取りが出来る関係性を築く事が出来ると、こちらのビジネスの特性や規模、取引先との関係性、場合によっては経営者や従業員の家族構成なども考えた上で将来に向けた最適なアドバイスを貰える可能性があります。

これにより、最新の税務に関する法律や制度の変更にも迅速に対応することができます。また、せっかく税金に関する知識を得ることが出来ても会計処理を誤ってしまう等があれば、本末転倒です。そのような意味合いにおいて、税務だけでは無く会計についても明るい専門家と顧問契約を結び、サポートを受けることは意義があります。会計処理についても確認を得ることで、間違いのない手続きが可能となります。また、税務申告の手続きについてもサポートを受けることが可能です。

税務申告の手続きは、煩雑で複雑なものです。税務申告の手続きを専門家に任せることで、手続きのミスを防ぐことができます。また、税務調査に対応してもらえることも大きなメリットです。税務調査は、突然行われることがあります。税務調査に対応するためには、税務に関する知識が必要です。もし、専門家の同席がなく税務署の職員からの質問に対して、すべてを一人で対応するということになれば、不安な気持ちでいっぱいになるのではないでしょうか。しかしながら、専門家の同席があれば、難しい専門用語が入り混じる質問に対しても解説を受けながら、適切に回答することが可能です。税理士や会計士と顧問契約を結ぶことは、顧問料が発生するため、躊躇する方もいらっしゃいますが、その顧問料も、事業に必要な経費として計上することが可能です。税務や会計のプロと顧問契約を結ぶことで本業に専念し、正しく自社の状態を正しく知ることもメリットの一つです。

税理士や公認会計士は様々な業種、業態のお客様を顧問先に持っています。そのため、場合によっては、自身のお仕事のお客様や、税務・会計以外の専門家の紹介もしれくれることがあります。コスト削減のアドバイスなども、得られるかもしれません。

もちろん、専門家の中にも、得意業種や不得意業種があることや、一言で税金と言っても、税理士試験の科目自体が多岐に渡るため、有資格者であっても税金の種類によっては苦手とする分野もあるかもしれません。そのため、自社との相性も非常に重要です。最も望ましい方法は知り合いから紹介をしてもらうことです。

場合によっては複数の事務所と面談し、その中から決めるということも選択肢なのではないでしょうか。

一度、顧問契約を結ぶこと、比較的長いお付き合いとなることが一般的です。

そのため、一定規模の取引が発生した際には、税務、会計に関する顧問をつけることをお勧めいたします。税務、会計に関する顧問をつけることは未来に対する投資と言えます。

以上のように、税務に関する相談は、税理士や会計士などの専門家に相談することには、様々なメリットがあります。

専門家のアドバイスを活用することで、より効果的な節税戦略を構築することができます。今は、節税をした方が良いのか、あるいはしっかりと利益を出して実績を積み重ねる時期なのかといった判断についても、客観的な立場からアドバイスを得ることも重要です。

節税を行うことで、収益の最大化、キャッシュフローの改善、資金の再投資などのメリットがあります。

しかしながら、その方法は多岐にわたり、判断に迷う場面もあるかと思います。

そのような時は無理な節税は避けて、違法な方法で利益や税金を減らす脱税行為ではなく、合法的な節税方法を選べるように、必ず専門家への確認を行うことをお勧めします。

中小企業診断士14tc

大学卒業後、大手建設会社の経営企画室、関係会社数社の経理担当、マンション営業部を経て、都内のベンチャー企業4社の役員、不動産コンサル会社の業務改善担当を経て、コンサルファームのプロジェクトマネージャーとして事業再生案件を中心に約80社のサポートを経験。2023年中小企業診断士登録後は、個人の活動として小規模事業者の資金繰り支援、補助金申請サポート、専門家派遣対応、BCP計画策定支援、セミナー講師などもおこなっている。

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