2024年3月24日 投稿者: 2of オフ

気まずい内容はこう伝えよう!ビジネスメールで覚えておきたい相手を不快にさせない言い換え術

 仕事で相手からの提案や誘いを断ったり、間違いを指摘したりする場合は気を遣いますよね。特にメールで伝える場合、相手が不快にならないように言葉選びで苦労した人も多いことでしょう。

そんなとき、普段使っている表現を少し言い換えることで相手が受ける不快感を抑えることができ、ビジネスメールのスキルを上げることができます。

 今回は会社員を15年間経験した私が、言い換えを活用したビジネスメールを、例文も交えながら説明します。

ビジネスシーンでの言い換えについての基本

 言い換えを活用する目的は、職場の仲間や取引先との関係性を良好に保ち、仕事を円滑に進めることです。

 また、相手が気心知れた間柄の場合でも言い換えを活用することをおすすめします。たとえ、そのような仲であっても、人間の心は想像以上に複雑です。体調やプライベートなど仕事以外の要素も関係して受け取り方が変化することはよくあります。

 相手に負担がかかることが予想される内容のメールを送る際は、上手に言い換えを活用するようにしましょう。

  意外と見落としがちなのがメールの送信時間   です。始業直後や終業直前にマイナスな内容を知って気分が良い人はいません。誰もが始まりと終わりはクリーンな気持ちで仕事に向き合いたいはずです。よって、緊急性があるとき以外は、なるべく日中にメールを送るようにしましょう。相手の勤務時間が分からないこともあるかもしれませんが、日中が無難です。

ビジネスメールでの失礼な表現とその言い換え

「言い換え」というと難しく感じる人もいるかもしれませんが、基本的なパターンを理解すれば、さほど難しいことはありません。今回は活用頻度の高い3パターンを紹介します。


  • 直接的な表現を避ける

  • クッション言葉を活用する

  • 賛成や肯定などプラス要素を後半に置く

 

➀直接的な表現を用いない

 「間違っている」や「ダメ」、「無理です」など会話では当たり前のように使っている言葉でもビジネスメールの場合は相手に失礼になるケースがあります。

  文字は想像以上にトゲが出る ため、「誤りが見られる」や「お控えください」、「難しいです」といった言葉に言い換えるようにしましょう。

➁クッション言葉を活用する

「申し訳ありませんが」、「恐縮ですが」、「お手数をおかけしますが」や「勝手ながら」などの「クッション言葉」を文の先頭に置くことで、次にマイナスの内容が記載されていることを示唆し、 読み手が受けるダメージを抑える ことができます。クッション言葉については別の記事でも詳しく解説します。

③賛成や肯定などプラス要素を後半に置く

 マイナスの内容を伝える場合にプラス要素を付け加えることも言い換え技術の一つです。例えば「高評価でした」や「私も同意です」などの言葉が挙げられます。相手の心理面を考慮すると、「マイナス→プラス」の順番で伝えるのが良いでしょう。 マイナスに振れていた感情を読み終わる頃にプラスに転換できる可能性がある からです。

シーン別そのまま使える言い換え術4選

先述の言い換えパターンをシーンごとに当てはめ、ビジネスメールにおける例文を作成してみました。イメージがより湧くようにメールを送る人物は以下で設定しています。

社会人10年目、役職は主任、印刷会社勤務、工場の製造部門に所属

<シーン1>

印刷機の調子が悪いため、来月に機械を入れ替えることになった。既存の取引先であるA社とB社から提案を受けたが、A社を採用することに決まり、B社へ断りのメールを送った。

〝いつもお世話になっております。

ご提案いただいた機械の導入について社内で協議いたしました。

貴社とA社で比較検討をおこなった結果、今回はA社の機械を採用することになりました。ご期待にお応えすることができず申し訳ありません。

議論の中では貴社機械の印刷速度を高評価する意見もありましたが、最終的には価格重視での決定となりました。

印刷機は上記の結果となりましたが、来年には製本機の入替をおこなう可能性があります。今回と同様相見積りにはなるかもしれませんが、その際はぜひお力を貸してください。

今後とも変わらぬご愛顧をお願いいたします。”

 提案を受けた相手に対して断りを入れるビジネスメールです。さきほどのパターン③(賛成や肯定などプラス要素を後半に置く)を活用した例文になり、前半に「不採用」というマイナス要素を伝え、後半に「次」というプラス要素を載せています。

 不採用の結果を知るB社の気持ちになれば、結果以外で「どういう評価をされたのか」という点が気になるはずです。B社の機械にも利点を感じたこと、そのため条件が合えば未来にもチャンスが残ることを伝え、前を向いてもらえるようなメッセージを送りましょう。

<シーン2>

今月末で退職するYさんの送別会において、上司から幹事をしてほしいとメールが届いた。しかし当日は家族で外せない用事があるため、上司に辞退を伝えるメールを送った。

“お疲れ様です。

今回、幹事に選んでいただき光栄です。

大変申し上げにくいのですが、当日は家庭の都合で出席が難しいです。申し訳ありません。

Yさんはとてもお世話になった先輩です。

私が新人の頃、印刷機のオペレーティングを一から教えていただいたのもYさんでした。

一つ提案ですが、工場一同から色紙をプレゼントするのはどうでしょうか。了承いただける場合、私の方で責任を持って進めてまいります。”

上司からの依頼は断りづらいですよね。この例文ではパターン➀~③を全て盛り込んでいます。➀は「出席できません」でも間違いではありませんが、見方によっては強い断り口調にもとれます。出席できない場合でも「難しい」に言い換えた方が無難です。

また、今回のシーンでは上司が新たに幹事を探す負担が発生するため、➁は重要です。「大変申し上げにくいのですが」というクッション言葉を入れて、相手への配慮を示しましょう。

 ③Yさんとのエピソードや、色紙をプレゼントする代替案は、プラスの要素としてメールの後半に置いています。

<シーン3>

新規得意先のチラシ5千枚を3日間で製造するスケジュールで事前に営業部と合意していたが、納期は1日に変更と営業部からメールが届いたため、クレームメールを送った。

“お疲れ様です。

まず、営業部側で納期の決定や調整をおこなうことは認められません。

今回、営業部の姿勢には大変憤りを感じています。

既に3日間の工程で組んでおり、ボリューム的にも1日で完成させるのは至難の業です。

現在は工場も繁忙期であり、工程を組み直す余裕もありません。

そのため、営業部で再度得意先と交渉をしていただきたいです。”

仕事をしていると自分からクレームを伝える場面も出てきます。

今回のようなシーンでは➀を意識しつつも、勝手に納期を変更されたことに工場の一員として腹を立てている状況を相手に知ってもらう必要があります。そのような場合、ビジネスメールにおいては「憤りを感じる」という言葉が適切です。なお、自分とは立場の違う人が怒っていることを伝える場合は「立腹」を用います。

<シーン4>

提案資料に使う写真が上司からメールで届いたが、20MBという大容量だった。社内では5MB以上はメールで送信しない取り決めになっているため、メールで伝えることにした。

“お疲れさまです。

写真を送付いただきありがとうございます。早速資料に活用してまいります。

申し上げにくいのですが、今回のメールサイズは20MBを超えていました。

5MB以上のファイル送信は、共有フォルダをとおして移行する規程になっていますので、次回から大容量のメール送信はお控えいただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。”

上司に自身の間違いを気付いてもらう必要があるシーンです。

こちらは➀と➁を組み合わせて例文を作成しています。部下が堂々と指摘してしまうと上司の立場がなくなってしまうため、「申し上げにくいのですが」というクッション言葉を置いたうえで、やめてほしいという気持ちを「お控えください」という言葉に言い換えましょう。

時には口頭で補足することも重要

ここまでビジネスメールにおける言い換えを例文も交えながらお伝えしました。しかし、文字の受け取り方は人によって千差万別。あなたがいくら丁寧なメールを送ったとしても、その意図が正確に相手に届かないことはあります。特に今回のような相手に伝えにくい内容のメールを送る場合、少しのニュアンスや表現で相手に不快や怒り、悲しみといった感情が芽生えやすくなります。

そうならないためには、必要に応じて口頭で補足・フォローすることです。メール送信後、あまり時間を空けずに相手と会話をおこない、ニュアンスなどに差異がないか確認するようにしましょう。遠方で直接会話ができない場合は電話やテレビ会議を代用することも一つです。

まとめ

言い換えとは相手を思いやる気持ちでもあります。今回、言い換えをおこなう主体は自分自身という前提で説明しましたが、このようなメールを受け取る場合もあると思います。その場合は、本記事の内容を参考に、スマートなコミュニケーションができるビジネスパーソンを目指しましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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